そろそろ「ハヌマーン」を超えるバンドに出会いたい
そろそろ「ハヌマーン」を超えるバンドに出会いたい
ハヌマーンという奇跡のバンド
ハヌマーン「Fever Believer Feedback」
大阪天王寺を中心に活動していたスリーピースバンド。
「ハヌマーン」をご存じだろうか。
過去形なのは2011年に解散してしまったから。
ちょうど高校生の頃にこのバンドを聴いていた。
今の高校生は知る由もないけど、当時2ちゃんねるのまとめブログで「路地裏音楽戦争」というすばらしいブログがあった。
まとめとは全然関係のない記事でたまに管理人がオススメのバンドを紹介するんだけど、それがことごとく良いバンドばかりで当時僕は毎日このサイトを巡回していた。
そんな「路地裏戦争」でこのバンドと出会った。
今思えば、高校生なんて青春まっさかりで一番楽しい時期で、きっとキラキラした毎日だったんだろうけど、当時の僕は絶えずやってくるふつうで退屈な毎日と終わりのない戦いをしている気分だった。
そんな毎日をぶったぎるような。
とんでもない衝撃だった。
ハヌマーンというバンドの魅力
「NUMBER GIRL」直結の鋭角サウンドから生まれる緊張感
ギタリスト以外はあんまり興味ないだろうけど、シングルコイルにショートディレイというエフェクトかませるギターサウンドを「NUMBER GIRL」が取り入れたことで、似たような音作りのギターサウンドのバンドはナンバガフォロワーとしてくくられることが多い。「ASIAN KUNG-FU GENERATION」「Base Ball Bear」なんかも大枠でここに括られることが多かった。
それ自体には大きな意味はないんだけど、このバンドに関しては楽曲の構成や歌詞の世界観、高い演奏能力と相まって本当にカッコイイ演奏になっている。
VO:山田亮一が綴る文学的かつ独創的な歌詞
笑って明日を迎えに行く 「死ぬよりマシだ」と吐き捨て行く いつか良い事あるから それが何だって想う 「バクのコックさん」
死んでしまうという事はとても恐ろしい 明日を真っ当に生きる事の次に恐ろしい 「リボルバー」
恐らくボーカルの山田はスクールカーストで言えばかなり下の人間だったんだろう。
でてくる歌詞からは日常からの絶望。自分はどーしてこんなにという劣等感や、周囲への羨望。暗い歌詞ばっかり。
でも、だからこそ、きっと誰もが感じたことがあるであろう感情。
そんな誰もが味わう感情を誰にもできない唯一無二の言葉で表現してくれる。
聞いた人間がみなこの歌は自分の歌だと感じられる。
そんな魅力がある歌詞だと思う。
この歌詞を見て感情が少しも動かない人は趣味はテキーラを一気のみすることです。音楽の趣味?EDM一択でしょ!みたいな根っからのパーティーピーポーなんだと思う。
続々と出てくるフォロワーバンド
そんなこんなで僕の青春はハヌマーンと共にあったわけなんだけど、悲しいことに2011年に解散をしてしまった。
その後、似たバンドはないものかと7年ほど探しているわけなんだけど、やっぱりあの衝撃は超えられない。
「カッパマイナス」「フッィシュライフ」をはじめ、ハヌマーンフォロワーと言われるバンドはたくさんいるけど、それはあくまでも演奏自体の話だ。
ハヌマーンの最大の魅力は日常に寄り添う歌詞だ。
退屈な日常に、あーもうなんだよ、って思う毎日の連続に寄り添いながら、それでも生きていこうと思える。
そんな世界観だ。
それは山田亮一という人間からでてくる唯一無二の言葉であり、世界観だ。
だからこそ、ほかのバンドと比較するものでもないし、むしろ全く同じ感情を抱くバンドがあったとしたら、 それこそ「ハヌマーン」はただの1バンドに成り下がってしまう。
山田亮一のその後
現在はバズマザーズというバンドを組んでいる。
このバンドもすごくかっこいいバンドなんだけど、明らかにハヌマーンと比較されるのを嫌がっている。
3rdアルバム以降はその傾向が特に強く、サウンド、歌詞ともにハヌマーン時代とは毛色の違うものになっている。
まあでもそれはそれで当たり前なんだよね。
ずっと同じことなんて歌えるわけがないし、ずっと同じことなんて思ってるはずがないし。
本当に思ってることを歌うからこそ僕たちは感動できるわけで、
だからこそ大人になった山田亮一に「ハヌマーン」を望むのは間違っている。
僕たちはハヌマーンから卒業しなければならない
あまりにハヌマーンが好きな僕はハヌマーンっぽいバンドをどうしても探してしまうけど、そもそもそれが間違いなんだと思う。
別にハヌマーンと似ている必要なんてない。
ただあの時の衝撃を塗り替えてくれればそれでいいのだ。
このバンドと人生を共にしているという。
そんなバンドとそろそろ出会いたい。
そのためにもブログを書こうと思うし、いつかの「路地裏音楽戦争」のように
僕がここで紹介したバンドが誰かにとっての特別になってくれればいい。
バンドに限らずそういうカルチャーとの出会いを提供したい。
そう思ってブログを書くことにしました。
最後にハヌマーンとっておきのキラーチューンでお別れです。